生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間、性生活を行っているにもかかわらず妊娠に至らない場合に不妊症と診断します。「一定期間」については諸説ありますが、2年というのが一般的です。(女性は35歳を過ぎると一般的に妊娠率が下がってきますので、妊娠を希望される場合は早めに受診されることをお勧めします。)全夫婦の約10%が不妊症であるといわれています。不妊の原因は単一ではなく複数の因子が関係していることが多いため、系統的な検査を行い原因を見つけ出すことが大切です。
起床時、起き上がらないうちに婦人体温計を舌下に入れて測定します。排卵がある方は二相性(低温期・高温期)の基礎体温表になります。低温期(卵胞期)は月経がおきて排卵に向かう時期を表します。高温期(黄体期)は、黄体ホルモン(基礎体温を上昇させるホルモン)が分泌される時期を表します。このホルモンは子宮内膜を着床しやすい状態に変化させ、妊娠を維持し流産を防ぐ働きがあります。基礎体温はグラフにすることで、その変動を確認することが出来ます。診察時は基礎体温を表記録し忘れずに持参してください。
専用の細長い超音波プローベを膣の中へ挿入し、子宮や卵巣の状態を観察します。
この検査には、卵管通気法・子宮卵管造影・超音波下卵管通水法(以下、通水検査)の3つがあります。当院では通水検査のみ行っています。実施可能な時期は月経開始7~10日前後です。
排卵日近くにご主人と関係をもっていただき、翌日(あるいは当日)に診察をし、頚管粘液(排卵日頃におりものとして感じられる卵の白身のようなもの)中の運動精子を確認する検査です。
精子濃度・精子運動率・正常形態率を調べる検査です。事前に検査容器をお渡しします。
当院で行っているのは不妊の一般検査・タイミング療法のみです。人工授精(AIH)や体外受精(ART)などへステップアップを希望される場合は専門の医療機関へご紹介しますので、遠慮なく申し出てください。