外陰部膣カンジダ症

真菌の中のカンジダ属の感染により発症します。
症状はかゆみや痛みの増強、また酒粕状(ヨーグルト状)のおりものが増えることが特徴です。
原因としては、抗菌薬の服用、糖尿病、妊娠などによる免疫能の低下、性的接触などがあります。

性器クラミジア感染症

女性がかかる性感染症(STI)の中で最も頻度が高いものです。自覚症状としてはおりものの増加、頻尿や排尿痛、性交後の性器出血などがありますが、自覚症状がほとんどない場合もあります。そのまま放置し子宮や卵管まで炎症が広がると、将来不妊や子宮外妊娠の原因となることがあります。

淋菌感染症

男性は排尿痛などの症状が出やすいため多く見られますが、女性では症状が軽いため、気づきにくいのが特徴です。症状は悪臭を伴う膿性おりものの増加、排尿痛などがあります。

性器ヘルペス感染症

単純ヘルペスウイルス1型または2型の感染によっておこるウィルス性感染症です。
初感染の場合、感染の機会があってから2~7日の潜伏期を経て外陰部に浅い潰瘍もしくは水疱が多発、強い外陰部の痛みを訴えます。排尿や歩行困難を訴えることもあります。発熱や鼠径部のリンパ節の腫れも見られます。
一度感染すると、脊髄神経節にウィルスが潜み、ストレスや風邪などで抵抗力が落ちた時に再発することがあります。

尖圭コンジローマ

ヒトパピローマウイルス(HPV)6型または11型の感染症で、膣や外陰部、肛門、子宮頚部などに、ピンク色や薄茶色、黒色のイボができます。放っておくと巨大化して治療が困難になるので、しっかり治療することが大事です。

トリコモナス膣炎

膣トリコモナス原虫による感染症で、性行為により感染することが多いのですが、タオルや浴槽などでも感染するといわれています。典型的な症状としては多量の泡状で悪臭の強い黄緑色のおりものとそれに伴う外陰部のかゆみがみられます。

梅毒

梅毒トレポネーマによる感染症です。感染から2~3週間後に感染部位の外陰部粘膜に固いしこりができ、2~3ヶ月後にはからだ全体に発疹などの皮膚症状が出現します。早期に治療を開始すれば完治します。

萎縮性膣炎

閉経などよりエストロゲンの低下すると、膣壁は薄くなり、膣常在菌である乳酸桿菌が減少。膣の自浄作用が低下し、膣炎や尿路感染症が起こりやすくなります。
膣・外陰の乾燥感、違和感、掻痒感、性交痛、少量の性器出血などの症状がみられます。

接触性外陰炎

外的な刺激が外陰皮膚に接触することで起こる皮膚炎です。
原因としては、おりもの・ナプキンや下着、便や尿、石鹸やデオドラント製品などが多いのですが、あらゆるものが原因となり得ます。まずはその原因となっている刺激を除去することが大事です。

バルトリン腺嚢胞・膿瘍

膣の分泌腺であるバルトリン腺の排出管が閉塞することにより分泌物が貯留したものをバルトリン腺嚢胞、そこに感染が起きるとバルトリン腺膿瘍となります。バルトリン腺膿瘍に対しては、抗菌剤の投与、必要に応じて切開・排膿などを行います。